2026年3月17日、群馬県嬬恋村の村上山(1,746m)に76歳の母と登ってきました。腰椎骨折から回復途中でコルセットを巻きながらの山行。それでも「体を動かし続けること」を大切にしながら、標準コースタイムの2倍をかけてゆっくり雪の山を歩きました。誰ともすれ違わない静かな雪道、眼前に広がる浅間山の圧倒的な景色、そして夜は休暇村のビュッフェと温泉。翌日は鹿沢園地を散策してから万座亭のサウナと温泉へ。嬬恋村の冬の魅力が凝縮した2日間のレポートです。
📋 この記事の基本情報
| 山名 | 村上山(1,746m)群馬県嬬恋村 |
| 登山日 | 2026年3月17日(火) |
| ルート | 休暇村嬬恋鹿沢駐車場よりピストン |
| 標準コースタイム | 往復約2時間(私達はこの2倍ペース往復4時間弱) |
| 積雪状況 | 登山道はしっかり積雪・上部は少なめ |
| アイゼン | 必携(母:12本爪、筆者:6本爪) |
| すれ違い者 | 0人(静かな山歩き) |
| メンバー | 私+76歳母(腰椎骨折回復中・コルセット着用) |
| 宿泊 | 休暇村嬬恋鹿沢(1泊) |
村上山とはどんな山? なぜ選んだのか
村上山は群馬県嬬恋村に位置する標高1,746mの山で、浅間・烏帽子火山群の溶岩ドームのひとつです。片道1時間ほどで山頂に立つことができ、浅間山北斜面と嬬恋平野が一望できるコンパクトな山で、標高差350mほどの歩きやすい山として地元でも親しまれています。
今回この山を選んだ理由は3つです。
まず、母の腰椎骨折がまだ完治しておらず、コルセットを巻きながらの登山のため、標高差が少なく短時間で登れる山が必要でした。次に、母が長年愛用している休暇村嬬恋鹿沢に宿泊したいという希望があり、その裏山とも言える村上山は休暇村の駐車場から直接登り始められるアクセスの良さがあります。そして3月の雪山であっても浅間山の絶景が期待できること。この3つが重なって村上山に決まりました。
休暇村嬬恋鹿沢の駐車場からそのまま登山できる好立地。標高差350m・片道1時間ほどのコンパクトさで、体力に不安がある方や雪山入門にも向いています。山頂からは浅間山と嬬恋平野の絶景が広がり、満足感は標準以上。静かな山を好む人にも最適です。
【1日目】村上山登山
休暇村嬬恋鹿沢から登山開始
前泊した休暇村嬬恋鹿沢の駐車場から登山を開始しました。3月の嬬恋村は標高1,400mの高原。登山道はしっかりと雪が積もっており、最初からアイゼンが必要な状況です。母は12本爪アイゼン、私は6本爪アイゼンを装着してスタートしました。
熊鈴は念のため装着。3月の嬬恋は熊の活動時期に差し掛かる手前ですが、雪が残っているとはいえ用心に越したことはありません。
誰もいない静かな雪の稜線
登り始めてすぐに気づくのは、静けさです。この日すれ違った登山者はゼロ。カラマツ林に積もった雪を踏みしめる音と、熊鈴の音だけが響く、贅沢なほど静かな山歩きです。
登山道の大半を占めるカラマツ林は変化が少ないですが、それが逆に落ち着いた空気を生み出しています。雪の白と幹の灰色のコントラストが美しい、冬の雑木林らしい景観です。積雪のため倒木に座ることが難しい場面もありましたが、濡れていない倒木を見つけては腰を下ろし、こまめに休憩を取りながら進みました。腰への負担を考えると、無理せず立ち止まることが大切です。
上部に近づくにつれ、なぜか雪が少なくなっていきます。稜線に出ると風が当たりやすく雪が飛ばされるのでしょう。足元が変わるため注意が必要です。
山頂からの絶景:ガトーショコラの浅間山
山頂に立つと、視界が一気に開けます。快晴のこの日に広がっていたのは、息をのむ景色でした。
正面にどっしりと構える浅間山(2,568m)。3月の浅間山は山頂部がうっすら溶けかけた雪と黒い岩肌が混ざり合い、まるで溶けかけたガトーショコラのような独特の表情を見せていました。そして頂上からはうっすらと噴煙が立ち上っています。活火山の証です。日本百名山であり現在も活動を続ける浅間山を、これほど間近に、そして静かに独占して眺められる場所はそうありません。

浅間山の手前には嬬恋平野のキャベツ畑が広がり、その向こうに山並みが連なります。晴れた日には四阿山(あずまやさん・日本百名山)をはじめとした上信越の峰々も見渡せます。村上山は単独峰ではないものの、この浅間山と嬬恋平野の一望できる景色は、標高1,746mの山として十分すぎるご褒美です。
山頂でのお昼は定番のカップラーメン。お湯はテルモスに熱湯を入れて持参しました。積雪期の山歩きでは、テルモスに熱湯を持参しておくと、カップ麺・コーヒー・ほうじ茶など何にでも使えて重宝します。風を避けながら食べるラーメンの美味しさは格別でした。

下山・夜は食べすぎ注意
母は腰を多少気にしながらも、下りもしっかりと自分の足で歩けていました。コルセットを巻いての登山でこれだけ歩けるのは、日頃から体を動かし続けてきた積み重ねだと思います。
一点だけ気をつけたのは、夜に休暇村のビュッフェが待っているため「食べすぎないように」と意識しながらの行動食。それだけ夕食が楽しみな山行でもありました。
⚠️ 3月の村上山 注意ポイント
- 登山道は全面積雪のためアイゼン必携(6本爪以上推奨)
- スタッドレスタイヤまたはチェーンが必要(休暇村へのアクセス道路も)
- 座れる場所が少ない——濡れていない倒木を活用
- 熊鈴は念のため携帯を
- 日当たりにより上部は雪が少ない箇所も——アイゼンの着脱に備える
【1日目夜】休暇村嬬恋鹿沢に泊まる
登山後に戻ったのは、今旅のベース「休暇村嬬恋鹿沢」です。上信越高原国立公園内の標高1,400mの高原に建つ休暇村嬬恋鹿沢は、半径1,400m以内に民家や観光施設がないポツンと温泉リゾートという、唯一無二のロケーションにあります。
部屋からの眺め
和洋室の部屋からは嬬恋村の高原や百名山を含む山々を眺望できます。窓を開けると広がるのは、雪を抱いた山並みと白樺の林。この景色を見ているだけで、日々の疲れがほぐれていく感覚がありました。「部屋からの景色がいい宿」というのは登山旅では特に嬉しいポイントです。

休暇村嬬恋鹿沢の部屋からの景色
鹿沢温泉で体を癒す
温泉は1,000年以上の歴史があると言われる鹿沢温泉を引き湯した本格的な名湯です。大浴場に四季折々の自然の景色を眺める露天風呂を併設しており、雪見露天風呂を楽しめる冬は特に贅沢です。雪道をアイゼンで歩いた足に、温泉の温もりがじんわり染み渡ります。
つまごいビュッフェが最高
夕食は目の前のオープンキッチンでシェフがステーキや天ぷらなどを調理し、出来立てを味わえるビュッフェスタイル。地元の高原野菜や旬の食材にこだわった料理が並び、嬬恋村が誇るキャベツ料理や群馬の郷土料理も堪能できます。登山後の空腹に、種類豊富な料理が並ぶビュッフェは最高のご褒美でした(山頂で食べ過ぎなかったおかげで胃の余裕もばっちりです)。
母は休暇村チェーンの会員になっているほどのリピーター。「ここが好きなの」という言葉が納得できる、コスパ・雰囲気ともに優れた宿でした。
🏨 休暇村嬬恋鹿沢 施設情報
| 住所 | 群馬県吾妻郡嬬恋村田代1312 |
| 標高 | 1,400m(上信越高原国立公園内) |
| 温泉 | 鹿沢温泉(1,000年以上の歴史を持つ名湯) |
| 食事 | 夕食・朝食ともにビュッフェ形式 |
| 駐車場 | 150台・無料 |
| アクセス | 小諸ICから約35分 / 上田菅平ICから約40分 |
| 登山との相性 | ◎(裏山・村上山に直接アクセス可) |
【2日目】鹿沢園地「かえでの小径」を散策
翌日は当初、桟敷山登山を計画していましたが、村上山の山行に十分満足していたこと、天気予報が曇り・雪がちだったこともあり、急遽予定を変更。休暇村のすぐそばにある鹿沢園地の散策に切り替えました。
選んだのは「かえでの小径コース」。1時間ほどのコースを母と二人でのんびり歩きました。この日もすれ違う人はゼロ。積雪の雪道を、自分たちだけで歩く静けさがとても気持ちよかったです。
途中の休憩タイムに母がテルモスからほうじ茶を注いでくれました。前日の山頂での熱湯と同じように、テルモスに入れたほうじ茶が雪の中でじんわり体を温めてくれる。何気ない一杯が、こんなに美味しいと感じる瞬間が登山や山歩きの醍醐味だと思います。

休暇村嬬恋鹿沢のすぐ隣にある自然学習歩道。積雪期も歩けるが、アイゼンまたは滑り止めがあると安心。1時間ほどのコースで体力に自信がない方にも向いている。秋の紅葉シーズンは特に美しいと評判。
【2日目午後】万座温泉へ!万座亭のサウナ&白鐵の湯
鹿沢園地の散策を終えて、次の目的地は万座温泉です。休暇村から車でおよそ1時間ほど。まずは万座温泉のシンボル的な噴気地帯「空吹(そらふき)」に立ち寄り、大地の息吹を感じてから「白鐵の湯 万座亭」へ向かいました。
万座亭とは
緑に囲まれた上信越高原国立公園内に湧く万座温泉。古くは江戸末期より湯治客で賑わうこの高山温泉郷に佇む万座亭は、標高1,800mに位置し、一日で540万リットルに達する豊かな湯量と80度の高温を保つ源泉、乳白色の硫黄泉「白鐵の湯(はくてつのゆ)」が自慢の宿です。
標高1,800mのサウナを独り占め
万座亭で私が真っ先に向かったのはサウナです。標高1,800mの万座温泉に、書をテーマにしたサウナが誕生しました。万物の陰陽を表す「太極図」をモチーフとした2つのサウナは、勾玉の白円・黒円部分にIKIストーブを設置しており、セルフロウリュウもお楽しみいただけます。
サウナ室に入ると……誰もいません。標高1,800mのサウナを完全貸し切り状態で堪能しました。IKIストーブでセルフロウリュウをかけ、書道家・万美さんによる墨文字の書を眺めながら、汗を流す。こんな贅沢な時間があるのかと思うほどでした。

白鐵の湯「温泉」も貸し切り
サウナの後に向かった白鐵の湯「温泉」も、この日は私一人でした。乳白色の硫黄泉は肌あたりがなめらかで、体の芯からじんわりと温まります。万座温泉の泉質は美肌効果でも知られており、女性にも人気の高い温泉です。

サウナは外には出られない施設構成(温泉は露天有り)でしたが、清潔感があり、とても整った内装でした。二日間の登山と散策の疲れが、この温泉で完全にリセットされた気がします。
温泉にしか入らなかった母には、待合ロビーで少し待ってもらいましたが、明るい陽射しが差し込むカフェラウンジでは、カウンター席、テーブル席、個室席とお好きな場所でゆったり過ごせ、読書スペースも併設されているので、母も落ち着いてくつろいでいたようです。
♨️ 白鐵の湯 万座亭 日帰り利用情報
| 住所 | 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣万座温泉2401 |
| 泉質 | 乳白色硫黄泉(源泉かけ流し・80度) |
| 日帰り温泉料金 | 1,300円 |
| 日帰りサウナ料金 | 1,300円 |
| 温泉+サウナセット | 2,100円 |
| 日帰り営業時間 | 平日11:30〜17:00 / 土日祝11:30〜14:00 |
| サウナ特徴 | 太極図モチーフ・IKIストーブ・セルフロウリュ可・標高1,800m |
| カフェ・ロビー | 日帰り客は1ドリンク制で利用可(読書スペース併設) |
万座亭を出ると雪が降り始めていました。さぁ、千葉へ帰ろう。
まとめ:こんな人におすすめの嬬恋村・村上山プラン
今回の旅を振り返ると、「山の難易度を下げても充実感は下がらない」ということを改めて実感しました。腰椎骨折回復中の母がコルセットを巻きながら雪の山を歩き、山頂からガトーショコラ浅間山を眺め、温泉でゆっくり体を癒す。それだけで十分すぎる旅の記憶になりました。
夏にはアルプスへ——その目標に向けて、今は少しずつ体を動かし続けることが大切です。高齢の親と山に登ることの価値は、山の標高や難易度ではなく、そこで共有する時間そのものにあると思っています。
✅ こんな人におすすめ
| ◎ | 高齢の親・家族と雪山ハイクをしたい方 |
| ◎ | 体力・体調に不安があるが山は歩きたい方(腰痛・骨折回復期など) |
| ◎ | 雪山入門・アイゼン練習をしたい方 |
| ◎ | 静かな山が好きな方(すれ違い者ほぼゼロ) |
| ◎ | 休暇村嬬恋鹿沢に宿泊して登山もしたい方 |
| ◎ | 万座温泉の本格サウナ・温泉もセットで楽しみたい方 |
⚠️ 持ち物・準備チェックリスト(3月の村上山)
- アイゼン(6本爪以上)
- 熊鈴
- テルモス(熱湯・ほうじ茶など)
- 防寒レイヤリング(標高1,400m〜1,746mは冷え込みあり)
- コルセット等サポーターが必要な方は着用の上で参加
- スタッドレスタイヤまたはチェーン(アクセス道路必須)
- カップラーメン(山頂での定番!)
📍 村上山登山口:休暇村嬬恋鹿沢駐車場(群馬県吾妻郡嬬恋村田代1312)より徒歩すぐ
📍 鹿沢園地:休暇村嬬恋鹿沢に隣接
📍 白鐵の湯 万座亭:群馬県吾妻郡嬬恋村干俣万座温泉2401 / TEL: 0279-97-3133
🌐 登山前の積雪・アクセス情報はYAMAP・ヤマレコで最新状況をご確認ください。


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