2026年4月中旬、茨城県大子町・奥久慈の月居山(つきおれさん・404m)に76歳の母と登ってきました。今回も山を選んだのは母です。袋田の滝の背後にそびえる月居山は、七曲登山道から山頂を踏み、そのまま袋田の滝を眺めながら下山できる贅沢なコース。春の新緑に染まる山道では母の野草講座が始まり、山頂では誰もいない静寂の中でグータッチ。帰りには名物の御前山ダムカレーとソフトクリームでしめくくった、充実の茨城日帰り山旅レポートです。
📋 この記事の基本情報(YAMAPデータより)
| 山名 | 月居山・月居山前山(404m)茨城県大子町・奥久慈 |
| 登山日 | 2026年4月中旬 |
| ルート | 袋田滝本町営第一無料駐車場 → 七曲登山道 → 月居観音堂 → 月居山 → 月居山前山 → 袋田の滝 → 駐車場 |
| 距離 | 4.0km |
| 標高差 | のぼり392m/くだり391m |
| 行動時間 | 4時間37分(休憩1時間25分含む) |
| 標準タイム | 2時間34分(コース定数9・やさしい) |
| 難易度 | やさしい(ただし山頂近くにロープ場あり) |
| 駐車場 | 袋田滝本町営第一無料駐車場(無料) |
| メンバー | 私+76歳母(腰椎骨折回復中・コルセット着用) |
月居山とはどんな山?
月居山は茨城県大子町・奥久慈エリアにある標高404mの低山です。正式には双耳峰(南峰・北峰)からなり、かつて月居城が築かれた歴史ある山です。西行法師も詠んだ日本三名瀑のひとつ・袋田の滝を背後から見下ろしながら下山できる、全国でもなかなか珍しい登山コースが最大の魅力です。
奥久慈エリアには奥久慈男体山・生瀬富士・篭岩山など個性的な山が揃っており、月居山はその中でも初心者からリハビリ登山まで対応できるコンパクトな山として人気があります。コース定数9の「やさしい」評価ながら、山頂近くにはロープを使う急登もあり、低山ながら飽きさせない変化に富んだルートです。
千葉から下道3時間:朝の出発
千葉の自宅を5時頃に出発し、途中で実家に寄って母を乗せました。外がうっすら明るくなり始める早朝の時間帯が私は好きです。母はいつもの調子で「おはよう、お願いします」と元気よく後部座席に乗り込み、朝ごはんを食べ終わると静かになったな……と思って見てみると、寝ていました。
下道だけで千葉から3時間ちょっと。茨城県の里山風景をのんびり楽しみながら走り、9:00に袋田滝本町営第一無料駐車場に到着しました。
無料で利用できる駐車場。週末・紅葉シーズンは満車になることも。平日の朝早い時間帯が確実です。袋田の滝の観光有料駐車場(300〜500円)もすぐ近くにあります。
登山開始:七曲登山道から新緑の山へ
9:20 七曲登山道入口からスタート
母は腰椎骨折の回復途中で、登山中はコルセットを着用しています。普段の生活ではコルセットなしで過ごせるくらいに回復してきていますが、登山で痛みが響くこともあるため山ではつけているそうです。「じっとしているよりも、自然の中に出た方が気持ち的にも回復を後押ししてくれる」という母の考え方は、筋肉という自然のコルセットを大切にする姿勢でもあります。
天気は快晴。春らしい清々しい風が吹く、登山日和でした。
七曲登山道に入ると、木漏れ日が神々しいほど差し込んできます。ジグザグ道を登りながら進む道は、倒木を跨いだり潜ったりしながら進む自然味のある登山道です。

母の足が止まる:野草講座が始まる
歩き始めてすぐに、母の足が止まります。春の新芽と野草が豊富だからです。母が声を上げたのは二輪草を見つけた瞬間でした。そこから母の解説が止まりません。
二輪草…茎に2輪の白い花を咲かせるキンポウゲ科の野草。春の山野草の定番。
ヤマエンゴサク…紫がかった青い小花が房状に咲く。葉の形に特徴あり。
ミミガタテンナンショウ…サトイモ科の独特な形の植物。「耳形」の仏炎苞が特徴。
ミヤマハコベ…白い小さな花。ハコベの仲間で山地に多い。
アオキ…光沢のある葉と赤い実が特徴の常緑低木。日陰を好む。
「あれは何よ」と次々に植物を指差しながら解説してくれる母の口はよく動きますが、足はよく止まります。そんなかんやで、ゆっくりと高度を上げていきました。

10:29〜10:40 月居観音堂
七曲登山道入口から約1時間で月居観音堂に到着。山中に静かに佇む朱色のお堂は、木々の緑との対比が美しい場所です。現在は立ち入り禁止とのこと。ここから山頂はもうすぐです。
山頂手前のロープ場
山頂に近づくにつれ、ロープを使う急な登り箇所が複数現れます。低山でも油断禁物の場所です。しかし母にとってはまったく問題なし。朝飯前とばかりに難なく通過していきます。
10:43 月居山山頂到着!誰もいない静寂の山頂
登山開始から約1時間20分、山頂に到着しました。
誰もいません!!そして下から登ってくる途中、この日はまだ誰ともすれ違っていない。母と思わずグータッチ。

山頂は楓の木に囲まれた新緑が美しい空間で、春の風が気持ちよく吹き抜けていました。傾きかけた長椅子がひとつあり、そこに腰を下ろしてお昼休憩です。
山頂ランチ:おにぎりを交換して食べる
私も母もそれぞれおにぎりを作ってきていたので、交換して食べました。カップラーメンも一つずつ。山で食べるカップ麺はなぜか格別に美味しい——これは本当のことです。
のんびりしていると、何組かの登山者が次々と山頂に到着してきました。少ないながらも確かに人が入っている山なのだと実感しながら、11:55まで1時間以上もゆっくりと山頂で過ごしました。

下山:鐘を鳴らす母、袋田の滝が見えてくる
下山開始・最初もロープ場
下山はロープを伝って下りる箇所から始まります。慎重に、一歩一歩。
鐘楼を発見→母、迷わず向かう
少し下ると鐘楼が現れました。「叩くの?」と聞くと「勿論」と即答。小さな体で大きな鐘をゴーンと鳴らす姿は、なんともシュールで笑えます。山にゴーンという音が響き渡りました。お地蔵さんも随所にあり、歴史と信仰を感じる不思議な雰囲気です。
登りの階段が続く区間:ベンチに横になる母
しばらく登りの階段が続く箇所があります。結構しんどいのですが、上にベンチがあり、そこが風の通り道になっていて、新緑がザワザワと揺れる清々しい場所でした。母は少し腰に響いていたらしく、ベンチで横になっていました。「寝てると楽」と言います。無理せず休んで、また歩き出す。それが母のペースです。

景色が開ける展望ポイント
月居山は全体的に木々に囲まれた山で、景色が開ける場所がほとんどありません。だからこそ、下山道の途中に現れるわずかに地平線まで見渡せる展望ポイントの価値は格別でした。標高の低い茨城の山々(奥久慈〜栃木方面の丘陵地帯)がずっと先まで連なる、なんとも可愛らしい風景。遠くまでポコポコと連なる低山の景色は、アルプスの迫力とは違う優しさがあります。

13:13 袋田の滝が見えてくる
下山道を進むと、少しずつ滝の音が聞こえてきます。まず見えてくるのが生瀬滝。これだけでも十分に美しいのですが、さらに下ると袋田の滝が姿を現します。
落差120mの袋田の滝が、新緑の木々の間から糸状に見える瞬間の雄大さ。母が「改めて袋田の滝を見直したわ」と感激していました。山の上から見る滝は、観光客が下から見る景色とはまったく違う表情を持っています。新緑の緑と白い飛沫のコントラストが、4月の光の中で美しく輝いていました。

13:16〜 袋田の滝エリアへ
さらに下ると袋田の滝の第2観瀑台へ。YAMAPのタイムラインにもある通り、吊り橋を渡って滝の近くまで行くことができます。長く山道を歩いてきた後の袋田の滝は、観光客として来るのとは少し違う達成感があります。川沿いにたなびくいくつもの鯉のぼりを見て、「ああ、ゴールだ」と思いました。

吊り橋まで無料。より近い観瀑台は観覧料500円。落差120m・4段の岩盤を流れ落ちる「四度の滝」とも呼ばれる日本三名瀑のひとつ。春の新緑・夏の青・秋の紅葉・冬の氷瀑と四季それぞれに美しい。
13:54、袋田滝本町営第一無料駐車場に無事帰還。行動時間4時間37分の山旅でした。
帰り道の楽しみ:ごぜんやま温泉保養センター四季彩館
8種類の浴槽とサウナ
帰り道に立ち寄ったのはごぜんやま温泉保養センター四季彩館です。「関東の嵐山」とも呼ばれる御前山の高台に位置する日帰り温泉施設で、那珂川を見下ろす露天風呂からの眺望が自慢です。
浴槽の種類は大浴場・露天風呂・うたせ湯・源泉湯・サウナ・低温風呂・薬湯・かぶり湯の8種類。泉質はナトリウム硫酸塩泉で、茶褐色に濁った鉄分を含む本格的な温泉です。登山後の疲れた体に沁みます。
サウナに入ったら混み合っていて、地元のおじちゃんが「詰めて、入んな」と声をかけてくれました。田舎の銭湯は余所者には閉鎖的な場所もあると聞きますが、茨城訛りの温かい一言に、心まで温かくなりました。
名物「御前山ダムカレー」と穴子丼
食事処では母が御前山ダムカレー(1,250円・ダムカレー協会認定)を、私は穴子丼を注文しました。ダムカレーはダムの形に盛り付けられたライスをソーセージで堰き止め、カレールーが放流されるユニークな一品。コクがあって辛すぎない本格的なカレーで、母も楽しそうに食べていました。
食後にはソフトクリームを。「最高よ」と母が満面の笑みで言います。このひとことで、また来たいなと思う場所になりました。
施設内には農産物直売所もあり、地元・常陸大宮の新鮮野菜を購入できます。登山の帰り道の直売所立ち寄りは、すっかり私たちの旅の定番になっています。

♨️ ごぜんやま温泉保養センター四季彩館 利用情報
| 住所 | 茨城県常陸大宮市長倉407-2 |
| TEL | 0295-55-2626 |
| 泉質 | ナトリウム硫酸塩泉(茶褐色・鉄分含む) |
| 料金 | 大人800円〜 |
| 浴槽 | 大浴場・露天風呂・うたせ湯・源泉湯・サウナ・低温風呂・薬湯・かぶり湯(8種類) |
| 営業時間 | 平日10:00〜20:30(最終受付20:00)/土日祝10:00〜21:00 |
| 定休日 | 木曜(祝日は翌平日) |
| 食事 | 御前山ダムカレー・穴子丼など充実のメニュー |
| 直売所 | 地元農産物の直売所併設 |
まとめ:こんな人におすすめ
月居山は「低山だから」と侮れない、見どころが凝縮した山です。春の野草・新緑・ロープ場・鐘楼・月居観音堂・生瀬滝・袋田の滝——4kmというコンパクトな距離の中に、これだけの体験が詰まっています。特に下山しながら袋田の滝を見るルートは、観光地としての袋田の滝とはまったく違う感動があります。千葉や東京から下道でも日帰りできる茨城の名山として、ぜひ候補に入れてみてください。
✅ こんな人におすすめ
| ◎ | 袋田の滝を登山コースの中で楽しみたい人 |
| ◎ | 高齢の親や体力に不安がある方とのリハビリ登山 |
| ◎ | 春の野草・新緑を楽しみたいハイカー(4月上〜中旬がおすすめ) |
| ◎ | 千葉・茨城・東京から日帰りで低山登山をしたい人 |
| ◎ | 登山後に温泉・グルメ・直売所をセットで楽しみたい人 |
| △ | 山頂付近にロープ場あり。足元の確認と登山靴での入山を推奨 |
⚠️ 月居山 注意ポイント
- 山頂近くにロープを使う急登・急下降あり。トレッキングシューズ以上の履物が必要
- 雨天後は登山道が滑りやすくなります
- コース上に水場なし。飲み物は十分に持参を
- 袋田の滝側の観瀑台は観覧料500円(吊り橋まで無料)
- 紅葉シーズン(11月)は駐車場が混雑します。早めの到着を
📱 Instagramでも動画で紹介しています
この山行の様子は、インスタグラムでも動画でお届けしています。春の新緑の中を歩く月居山の雰囲気、山の上から見る袋田の滝の絶景、母が大きな鐘をゴーンと鳴らすシーンなど、ぜひ映像でも楽しんでいただけると嬉しいです。
アカウントは @tk.zero.mountain です。フォローしていただけると励みになります!
📍 袋田滝本町営第一無料駐車場:茨城県久慈郡大子町袋田(無料)
📍 ごぜんやま温泉保養センター四季彩館:茨城県常陸大宮市長倉407-2 TEL: 0295-55-2626
🌐 最新の登山情報はYAMAP・ヤマレコでご確認ください。


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