【蓼科山】すずらん峠登山口から晩秋の霧氷を求めて|76歳の母と歩いた日本百名山|白樺湖車中泊プラン付

八ヶ岳

11月の蓼科山(標高2,531m)に、76歳の母と二人で登ってきました。当初はアイゼンを持参していなかったため、標高の低い八子ヶ峰を予定していましたが、「南面のすずらん峠登山口ならアイゼン不要ではないか」という母の一言で急遽プランを変更。その判断は大正解で、霧氷に包まれた幻想的な森と、360度の大パノラマが広がる山頂で忘れられない晩秋の山行となりました。

この記事では、白樺湖での車中泊情報から登山ルートの詳細、池の平ホテルの日帰り温泉情報まで、実体験をもとに詳しくお伝えします。

📋 この記事の基本情報

山域・山名 八ヶ岳連峰北端・蓼科山(2,531m)日本百名山
登山日 2025年11月15日(土)
ルート すずらん峠園地駐車場(女乃神茶屋)ピストン
距離・標高差 約6.2km/標高差約810m
コースタイム 登り約4時間10分(7:00〜11:17)/下り約2時間50分(12:00〜14:53)
難易度 中級(岩場・鎖場あり)
アイゼン 11月中旬時点・南面ルートは不要(七合目ルートは要確認)
駐車場 すずらん峠園地駐車場(無料・約30台)バイオトイレあり(協力金100円)
メンバー 私(冷え性・ゆっくりペース)+76歳母(登山歴56年)

蓼科山とはどんな山?

蓼科山は八ヶ岳連峰の最北端に位置するコニーデ型の火山です。その端正な円錐形は諏訪方面からもよく目立ち、「諏訪富士」とも呼ばれる信州を代表する名山のひとつ。日本百名山にも選ばれており、年間を通じて多くの登山者が訪れます。

最大の魅力は山頂の独特な景観です。溶岩台地が広がる山頂部は直径約100メートルの広大な空間で、高い樹木が育たないため遮るものが何もありません。中央にはわずかに噴火口跡のくぼみがあり、そこに蓼科神社の奥宮が静かに佇んでいます。天気が良ければ、八ヶ岳連峰をはじめ、南北アルプス、中央アルプス、御嶽山、浅間山、霧ヶ峰、美ヶ原と、360度の大パノラマが楽しめます。

【前日】白樺湖で車中泊〜池の平ホテルで温泉と夕食

白樺湖観光センター前駐車場で車中泊

今回の旅は、白樺湖近くにある母の土地を見に行くついでに蓼科山を登るという計画。宿泊コストを抑えるため、車中泊を選びました。

車中泊地として選んだのは白樺湖観光センター前の駐車場。夕方に到着して確認したところ、駐車場は平坦で体が傾かず快適に眠れそうです。隣接するトイレは非常に清潔で、夜間も利用可能。夜は交通量も少なく静かな環境です。

夕方の白樺湖は格別でした。湖面がオレンジ色に染まり、湖畔に揺れるススキが黄金色に輝く晩秋の景色。翌日の登山への期待が自然と高まります。

🅿️ 白樺湖観光センター前駐車場(車中泊メモ)
無料・平坦・夜間静か・トイレ清潔。近くにコンビニ(池の平ホテル前のローソン)あり。翌朝の朝食や行動食はここで調達がおすすめです。

池の平ホテル「湖天の湯」で疲れを癒す

夕食と入浴は、徒歩圏内にある池の平ホテル&リゾーツへ。入浴前に信州名物「山賊味噌ラーメン」で体を温めてから温泉へ。

温泉は「湖天の湯」という施設で、北八ヶ岳・蓼科山の秘湯「樽ヶ沢温泉」の天然温泉です。泉質はカルシウム・ナトリウムを含む硫酸塩泉で、やわらかな湯当たり。木曽檜をあしらった「木の湯」と天然石を基調にした「石の湯」の2種類があり、オートロウリュのフィンランド式サウナも完備しています。また、水着着用で楽しめる混浴エリア「湖畔混浴 空」では白樺湖を眺めながら外気浴も楽しめます。

湯上がり後は湯上りラウンジが最高でした。リラックスピローやフェイスミストなどのアメニティが揃い、日帰り客でもゆっくりくつろげます。名水バーでは蓼科山の天然伏流水や伏流炭酸水が無料で飲み放題。母と山ぶどうソーダを飲みながら翌日の作戦を立て、気づいたらかなりリフレッシュできていました。車中泊をしている私たちにとって、このラウンジの存在は本当にありがたかったです。

♨️ 池の平ホテル「湖天の湯」 利用情報

日帰り料金 大人2,000円(特別期間は2,500円)/タオル・湯あみ着込み
営業時間 11:30〜23:00(最終受付22:00)
泉質 カルシウム・ナトリウム硫酸塩泉(樽ヶ沢温泉)
アクセス 白樺湖観光センター駐車場から徒歩圏内

【登山当日】すずらん峠登山口から蓼科山へ

夜明け前の出発準備

5:00 起床。外気温3℃、外はまだ暗い
5:30頃 池の平ホテル前のローソンで購入したパンとコーヒーで朝食
7:00 すずらん峠登山口より登山開始

11月の標高1,400m超の高原は朝の冷え込みが厳しく、外気温は3℃。日が昇る前から行動するため、防寒対策は必須です。

⚠️ 冷え性の方への注意:筆者は登り始めて30分ほどで足の指先に痺れが出始めました。歩いても体温が上がらず、途中で靴を脱いで指先をほぐし、つま先立ちで血行を促進させることで徐々に回復。冬山では五本指ソックスやホッカイロなど、足先への防寒対策を強化することをおすすめします。

すずらん峠登山口ルートの特徴と七合目ルートとの違い

蓼科山の主なルートは3つあります。

① 七合目登山口ルート:最短(山頂まで約2時間)で最も登山者が多い。ただし11月中旬以降は七合目へのアクセス道路が積雪で通行止めになる可能性があり、アイゼン必携。

② すずらん峠登山口ルート(今回):標高1,720mの登山口から南面を登る。距離は約6.2km、標高差約810m。冬季も道路は通行可。南面のため雪が少なく、11月中旬ならアイゼン不要のことが多い。七合目より距離は長いが、霧氷や眺望を楽しみながら歩けるメリットがある。

③ 大河原峠ルート:距離は約5.9km。冬季通行止めになるため注意。

💡 すずらん峠ルートをおすすめする理由:七合目へのアクセス道路が冬季閉鎖になる時期でも登れる。南面で雪が付きにくく、ヤマップ等で直近の積雪状況を確認すればアイゼンなしで登れる時期が長い。霧氷帯を通るルートでもあり、晩秋〜冬はむしろこちらの方が絶景を楽しめる。

序盤〜中盤:八ヶ岳を望む笹原と、現れ始める霧

登山口を出発すると、まず笹原の平坦な道が続きます。木々の間から南八ヶ岳の主峰群——赤岳・横岳・硫黄岳の稜線が見え始め、気持ちが高鳴ります。朝日が差し込む林の中は、静かで柔らかい光に包まれ、清々しい雰囲気です。

中腹まで登ると登山道に霜が現れ始めます。見上げると、木々の梢が白くなっているのが見えます。霧氷の始まりです。

霧氷地帯:まるで「アナと雪の女王」の世界

さらに標高を上げると、木々が真っ白になり、風が吹くたびに霜がさらさらと降ってきます。母は「アナと雪の女王みたい!」と歓声を上げるほど幻想的な景色。ロープを支える鉄柱にまで霧氷が付着し、自然が作り出すアート作品のようでした。

霧氷は早朝の低温と湿度、風の条件が重なって生まれる自然現象です。11月の蓼科山すずらん峠ルートは、この霧氷を見られる確率が高く、早朝出発が絶好のタイミングです。午後には解けてしまうため、早めに行動することが大切です。

森林限界〜山頂直下の岩場:3点支持で確実に

霧氷地帯を抜けると突然視界が開け、森林限界に突入します。「八ヶ岳ブルー」と呼ばれる鮮烈な青空が目の前に広がり、雲が速いスピードで流れる迫力ある光景。山頂は風が強いことがわかります。

ここからは岩場の急登が続きます。大きな溶岩岩がゴロゴロと積み重なり、3点支持(常に両手両足の3点を岩に接触させながら登る方法)が必要になります。鎖場もあります。登山歴56年の母は、一歩一歩確実に手を岩に当てながら、躊躇なく進んでいきます。「さすが」と思わずにいられません。

⚠️ 岩場での注意点:すずらん峠ルートは岩場が多く滑りやすいです。特に朝の凍結時は要注意。矢印マークが少ない箇所があるため、ルートを慎重に確認しながら進みましょう。登山経験者向けのルートです。

11:17 蓼科山山頂(2,531m)登頂!

登山開始から4時間17分、ついに山頂に立ちました。

蓼科山の山頂は登ってきた道からは想像できないほど独特です。溶岩台地が広がる広大な平坦地で、直径約100メートルの巨大な岩の広場。火山の古い噴火口跡であり、中央のわずかなくぼみに蓼科神社奥宮の石祠が祀られています。高い木が一本もなく、遮るものが何もない開放感は圧倒的です。

この日は風が強かったものの天気は良く、南八ヶ岳(赤岳・横岳・硫黄岳)から南アルプスの白い峰々まで、はっきりと見渡せました。晴れた日には北アルプス、中央アルプス、御嶽山、浅間山、霧ヶ峰、美ヶ原も一望できます。11月の山頂は夏と比べて登山者が少なく、この広大な空間をほぼ独占できたのも贅沢な体験でした。

暑がりの母も流石に山頂では寒く、腰に巻いていたアウターを着込みました。昼食は前日コンビニで買ったパン。「寒いのにサラダ?」と思ったら母がザックからサラダと燻製卵を取り出してニコニコ差し出してくる。笑えるシーンでした。

12:00 下山開始〜14:53 すずらん峠到着

下山ルートからの眺めは、登りとはまた違う感動があります。南八ヶ岳を正面に見ながら高度感のある岩場を下りていく。この景色を見ながら歩けるのはすずらん峠ルートならではの魅力です。


岩場の下山道

午後に差し掛かると、登りのときに圧巻だった霧氷はすっかり溶けてなくなっていました。やはり霧氷は早朝限定の特別なプレゼントです。

すずらん峠駐車場に戻ると残っている車はわずか3台。11月の晩秋、日は短く、時間に余裕を持った行動が大切です。


まとめ:晩秋の蓼科山すずらん峠ルート、こんな人におすすめ

今回の山行を振り返ると、「急遽決めた蓼科山」が最高の選択でした。すずらん峠ルートは七合目ルートより距離は長いものの、霧氷・岩場・360度パノラマと見どころが多く、個人的にはむしろこちらの方が好きなルートだと感じました。

✅ こんな人におすすめ

11月の霧氷を見たい登山者(七合目はアイゼン必要な時期でも南面なら可)
七合目へのアクセス道路が閉鎖されている時期の登山者
蓼科山の360度パノラマを静かに楽しみたい人
白樺湖エリアに前泊・車中泊してから登りたい人
岩場が苦手な初心者(七合目ルートの方がおすすめ)

⚠️ 11月の蓼科山 持ち物チェックリスト

  • 防寒レイヤリング(山頂は冬の気温、風が強い)
  • 手袋・ニット帽(必須)
  • ヘッドライト(早朝出発・日没が早い)
  • チェーンアイゼン(念のため携行推奨)
  • 携帯トイレ(冬季は山中のトイレが閉鎖)
  • ヤマップ等で直近の積雪情報を必ず確認

76歳の母が霧氷の中を歩き、鎖場をスイスイと降りていく姿を見ながら、登山とはなんて素晴らしいものだろうと改めて思いました。目的地の土地問題も少し前進し、この旅は家族にとって大切な一日となりました。

蓼科山を計画されている方の参考になれば嬉しいです。


📍 すずらん峠園地駐車場(女乃神茶屋):長野県茅野市 ビーナスライン沿い/無料・バイオトイレあり(協力金100円)
🌐 最新の登山情報はYAMAP・ヤマレコで確認してください。積雪・通行止め状況は必ず事前にチェックを。

 

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