2025年8月22〜23日、中央アルプスの最高峰・木曽駒ヶ岳(2,956m)に地元の友人2名と1泊2日で登ってきました。1日目は宝剣岳往路ルートで登頂、頂上山荘に宿泊して夕陽待ち・満天の星空・御来光を堪能。2日目は友人の一人が初挑戦となる宝剣岳を復路ルートで縦走して千畳敷駅へ——。絶景あり、反省あり、学びありの充実した2日間でした。下山後の駒ヶ根名物・明治亭のソースかつ丼まで、余すことなくレポートします。
📋 この記事の基本情報(YAMAPデータより)
| 山域・山名 | 中央アルプス・木曽駒ヶ岳(2,956m)日本百名山/宝剣岳(2,931m) |
| 登山日 | 2025年8月22日(金)〜23日(土)1泊2日 |
| 1日目ルート | 千畳敷駅→乗越浄土→宝剣岳(往路)→宝剣山荘→中岳→頂上山荘(宿泊)→木曽駒ヶ岳(夕陽待ち) |
| 2日目ルート | 頂上山荘→木曽駒ヶ岳(御来光)→頂上山荘→宝剣岳(復路・極楽平へ)→島田娘→千畳敷駅 |
| 1日目データ | 7時間22分・3.0km・のぼり452m・くだり233m |
| 2日目データ | 5時間54分・4.1km・のぼり255m・くだり459m |
| 宿泊 | 頂上山荘(標高2,870m) |
| アクセス | 菅の台バスセンター→しらび平駅(バス)→千畳敷駅(ロープウェイ) |
| 難易度 | 木曽駒ヶ岳:初〜中級/宝剣岳:上級(鎖場・岩場あり・ヘルメット推奨) |
| メンバー | 私+友人2名(アルプス山小屋泊初挑戦組) |
今回の山行に込めた思い:甲斐駒ヶ岳で終バスに泣いたメンバーと再挑戦
このメンバーとは2024年10月に南アルプスの甲斐駒ヶ岳に日帰りで挑んだことがあります。しかし終バスの関係で登頂を断念するという苦い結末でした。だからこそ今回は余裕を持った山小屋泊プランで木曽駒ヶ岳登頂を目指すことにしました。
私自身も、初めてのアルプスを無念に終えた友人に登頂してもらいたいこと、山の朝・夕・夜という時間を体験してもらいたいという思いがありました。出発は金曜日。友人たちが有給を取ってくれました。感謝です。
【1日目】菅の台バスセンターからロープウェイで一気に2,611mへ
バス・ロープウェイのアクセス:金曜日の判断が正解
10:30、菅の台バスセンターに到着。しらび平駅行きのバスに乗り込みます。平日の金曜日だったおかげで待ち時間はほとんどなく、ロープウェイにもすんなり乗れました。週末の混雑時は長時間待つこともあると聞いていたので、金曜日出発にして大正解でした(2日目の下山後、しらび平では長蛇の列ができていました)。
駒ヶ岳ロープウェイは高低差950m・乗車時間約7分30秒という、標高差・高低差ともに日本一のロープウェイです。ロープウェイの車窓からの景色だけでも既にアルプス気分が高まります。
🚡 駒ヶ岳ロープウェイ・アクセス情報
| 菅の台バスセンター | 長野県駒ヶ根市赤穂(無料駐車場あり) |
| バス料金 | 菅の台〜しらび平 往復1,130円 |
| ロープウェイ料金 | しらび平〜千畳敷 往復3,000円 |
| 乗車時間 | 約7分30秒(高低差950m・日本一) |
| 千畳敷駅標高 | 2,611m(日本最高所の駅) |
| 混雑 | 土日祝は長時間待ちあり。平日・早朝が快適 |
11:38 千畳敷カール:大迫力のお出迎え
千畳敷駅から外に出た瞬間、目の前に広がる千畳敷カールの迫力に3人とも声を失いました。約2万年前の氷河期に形成されたお椀型のカール地形。夏は高山植物が咲き乱れ、目の前にそびえる宝剣岳の切り立った岩峰——これがロープウェイで誰でも来られる場所だということが信じられない景観です。
カールの外側は雲が多いものの、カール内はクリアに見通せていました。まずは千畳敷駅前のテラスで昼食を取りながら、目の前に聳える宝剣岳を眺めます。想像以上に切り立っている——行けるなら今日中に登ってみたいと思い始めていました。

1日目 タイムライン(YAMAPより)
乗越浄土〜宝剣岳:ヘルメットを装着、いざ核心部へ
千畳敷から八丁坂の急登を登ること約1時間12分、乗越浄土に到達しました。ここで一人の友人がバテ気味に。高山病の気配もあります。ロープウェイで一気に2,600mまで来てしまうため、高山病のリスクは常につきまといます。
その友人には宝剣山荘の手前で待ってもらい、私ともう一人の友人でヘルメットを装着して宝剣岳へ向かいました。荷物は宝剣山荘手前にデポして身軽な状態です。
13:45、宝剣岳アタック開始。鎖場が連続します。3点支持を徹底しながら確実に登ります。下を見ると高度感はかなりありますが、鎖をしっかり掴んで足場を確認すれば問題なく進めました。特に核心部のトラバースは緊張感があります。「落ちたら終わり」という感覚が体を引き締めます。

14:00〜14:10の10分間、宝剣岳山頂で過ごしました。残念ながら山頂はガスに包まれていましたが、登頂できた達成感は十分です。下山後、待っていた友人のもとへ合流しました。

⚠️ 宝剣岳 注意ポイント
- 鎖場・岩場が連続するためヘルメット必携
- 3点支持の徹底が必須。岩場が苦手な方は入山しないこと
- 往路(乗越浄土→山頂→乗越浄土)と復路(山頂→極楽平方面)でルートが異なり、復路は往路より難所が多い(詳細は2日目レポートで)
- 荷物は宝剣山荘や宝剣山荘テント場にデポがおすすめ
14:35 中岳→14:58 頂上山荘チェックイン
宝剣岳から中岳を経由して、14:58に頂上山荘に到着しました。チェックインすると、平日ということもあり3人で1部屋を使わせてもらえました。平日の山小屋はこういう嬉しいサプライズがあります。
頂上山荘は木曽駒ヶ岳と中岳の中間、標高2,870mに位置します。山頂まで歩いて約15分という最高のロケーション。窓からはテント場が見えて、周囲には中央アルプスの固有種コマクサやウスユキソウが咲いています。夏山シーズンは混み合いますが、平日はゆったり使えます。
🏠 頂上山荘 基本情報
| 標高 | 2,870m(木曽駒ヶ岳と中岳の鞍部) |
| 木曽駒ヶ岳山頂まで | 約15分 |
| 設備 | 食堂・売店・トイレ(宿泊者以外200円) |
| テント場 | 70張・1人900円 |
| 水場 | なし(宿泊者は無料分配・日帰り者は1L 200円) |
| 食堂メニュー | カレー・牛丼など(宿泊者以外も利用可) |
| 予約 | 要予約(夏山シーズンの土日は特に早めに) |
18:25 木曽駒ヶ岳山頂で夕陽待ち:雲海と燃えるオレンジ
17時に夕食を済ませ、18時過ぎに夕陽に期待して木曽駒ヶ岳山頂へ出発。18:25〜19:01の36分間、山頂で粘りました。
青空もありオレンジ色に輝きだした空——しかし太陽は雲に隠れて夕陽は見られませんでした。それでもオレンジ色に輝く雲海が広がる場面がありました。壮大な光景でした。山頂には他にも数名、ワンチャンスにかけて夕陽を待っている登山者がいました。

暗くなり始めた19:07に下山開始。頂上山荘とテント場が灯りで照らされる夜景が美しく、「次はテントを担いで登りたい」という気持ちが自然と湧き上がりました。

20:00 満天の星空
20時頃、外に出てみると先ほどまでの雲がどこかへ消え去り、一面の星空が広がっていました。標高2,870mから見る夜空は別次元です。テントから眺められたらさぞ贅沢だろうと思いながら、山小屋に戻りました。

【2日目】4:06出発、御来光・御嶽山・そして宝剣岳の核心部へ
2日目 タイムライン(YAMAPより)
4:41〜5:27 木曽駒ヶ岳山頂で御来光:3,000m級だけが顔を出す世界
4:06に頂上山荘を出発。ヘッドランプを装着して薄暗い中を歩きます。東の地平線が赤く染まり始めていました。山頂に着くと多くの人たちがすでに御来光を待っていました。
雲の上からは3,000m級の山々だけが顔を出しています。八ヶ岳はすぐに分かりました。そして5:10、太陽が出てきました。周囲から歓声が上がります。この瞬間は宿泊者だけが見られる特権です。

昨日は見つけられなかった山頂標識も発見。3人で記念撮影をしました。下ろうとした時、反対側に御嶽山が綺麗に見えました。見えると登りに行きたくなるもので、いつかはという気持ちにさせてくれます。戻る途中、宝剣岳や中央アルプスの稜線が朝日の中に輝いて見えました。

宝剣岳・復路ルート:最大の反省点
2日目は宝剣岳を反対側(極楽平方向)に降りる復路ルートで縦走する計画です。一人の友人は昨日宝剣岳を登っていません。「どんな感じか」と、ギザギザの宝剣岳を見て少し緊張している様子でした。「無理そうなら来た道を引き返そう」と言いながら向かいました。

7:31〜8:16の45分間、宝剣岳の往路です。昨日未登頂だった友人も登頂。しかし問題はここからです。反対側(極楽平方面)に降りるのは私も初めてのルートでした。

思っていたよりも切り立っていて、顔を覗き込まないとルートが見えない。私が先に降りて様子を伝えながら進む形にしました。
私自身は何ともなかったのですが、友人2人は怖さからパニックに近い状態になっていたかもしれません。その状況を十分に理解できないまま私が先行して進んでしまいました。ある程度降りてしまうと、戻るのも難しくなります。結局全員が無事に降りられましたが、友人の心の中では「楽しい」を超えて「怖い」が勝っていたかもしれません。パーティー登山では個々のレベルを十分に理解すること、先行者は後続者の状態を常に確認すること——これが山での基本です。自分の力量基準で動いてしまったことを深く反省しています。

振り返って宝剣岳を見ると、鋭く切り立った姿に「無事に降りられて本当に良かった」と改めて感じました。往路よりも復路の方が難所は明らかに多い。この事実は事前にもっと調べておくべきでした。

9:11 島田娘〜9:54 千畳敷駅へ
宝剣岳の核心部を抜けると極楽平に到着。「名前の由来がよく分かる」と友人が言いました。それだけの緊張を経験してきたからこそ感じる名前です。その後島田娘まで進んで下山しました(本来はもっと先まで歩く予定でしたが、過度の緊張で疲れ切っていたため早めの下山に変更)。

9:54、千畳敷駅に到着。色々な反省と学びがありましたが、それでも天気は最高で、御来光・星空・雲海と山でしか見られない景色を友人と共有できた2日間でした。

早めの下山だったためロープウェイも待ち時間なく乗れました。しらび平に到着すると、長蛇の列ができていました。金曜・土曜のプランは大正解でした。
下山後:明治亭のソースかつ丼
下山後に向かったのは明治亭。帰りのバスで隣になった方から「ここのソースかつ丼は絶対食べてほしい」とお勧めされた駒ヶ根名物の名店です。テラス席が空いていて、涼しい風の中でノンアルで乾杯。駒ヶ根名物のソースかつ丼を3人で食べました。
登山で消耗しきった体に、甘辛いソースと揚げたてのカツが染み渡りました。「今でも忘れられない味」というのは大げさではなく、本当にそれほど美味しかった。下山飯の感動は登山の醍醐味のひとつだと改めて感じました。

駒ヶ根ソースかつ丼の名店。揚げたてのカツに甘辛ソースをかけたご当地グルメは、下山後の疲れた体に最高のご褒美。テラス席あり。登山帰りに立ち寄るルートとして菅の台バスセンターからも近く、アクセス良好です。
まとめ:木曽駒ヶ岳は最高の「アルプス入門」、宝剣岳は計画と準備を慎重に
木曽駒ヶ岳はロープウェイで2,600mまで上がれる「アルプス入門の王道」です。千畳敷カールの絶景、御来光、星空、雲海——山小屋泊ならではの体験が詰まっています。一方で宝剣岳は、特に復路ルート(極楽平方面への下降)は難度が高く、同行者のレベルを十分に見極めた上で判断することが大切です。今回の山行は多くの学びをもたらしてくれました。
✅ こんな人におすすめ
| ◎ | 初めてのアルプス山小屋泊を考えている人(木曽駒ヶ岳は最適) |
| ◎ | 千畳敷カールの絶景・御来光・星空を体験したい人 |
| ◎ | 平日の金〜土でロープウェイの混雑を避けたい人 |
| ◎ | 下山後に駒ヶ根名物ソースかつ丼を食べたい人 |
| △ | 宝剣岳(特に復路・極楽平ルート)は上級向け。同行者全員の岩場経験を確認してから |
⚠️ 木曽駒ヶ岳・宝剣岳 注意チェックリスト
- ロープウェイは週末・お盆・紅葉シーズンは長時間待ちあり。平日推奨
- ロープウェイで一気に2,600mへ——高山病対策として行動食・こまめな水分補給・ゆっくりしたペースを心がける
- 宝剣岳はヘルメット必携・岩場経験者向け
- 頂上山荘は水場あり(入り口横にありました)
- 8月でも山頂・夜間は冷える。防寒具必携
- パーティー登山では同行者全員の体調・技量の確認を常に
📱 Instagramでも動画で紹介しています
この山行の様子は、インスタグラムでも動画でお届けしています。千畳敷カールの迫力、宝剣岳の鎖場、木曽駒ヶ岳山頂からの御来光と雲海、燃えるオレンジの夕暮れなど、ぜひ映像でも感じていただけると嬉しいです。
アカウントは @tk.zero.mountain です。フォローしていただけると励みになります!
📍 菅の台バスセンター:長野県駒ヶ根市赤穂759-489
📍 駒ヶ岳ロープウェイ(中央アルプス観光):TEL 0265-83-3107
📍 頂上山荘:標高2,870m(宮田観光開発)TEL 0265-85-3056
📍 明治亭 駒ヶ根本店:長野県駒ヶ根市赤穂11-3
🌐 最新のロープウェイ・バス運行情報は中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイ公式サイトでご確認ください。


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